火事

10/07/15
数年前の洒落怖を読みあさっていた夏、洒落にならない怖い体験をした・・・ 

少しフェイク入れながらですが・・・ 

その夏は、ずいぶんと暑い夏でして 
仕事の関係で外に毎日出ていた私は、ずいぶんとばてながらも毎日せっせとそこら中を歩き回っていたわけです 

しかしながら実家から離れての一人暮らし 
節約生活にいそしんでいた私は、お金をかけずに涼を取ろうと洒落怖のまとめサイトを毎夜のように読みあさっていました 

当然その中には自己責任系の話も多く、それらの話は特に背筋が寒くなったものです 
自己責任の話をいくつも、楽しみながら読んでいました 

夏も半分以上過ぎたある日、私は相も変わらず仕事で外に出ていました 

その日も当然のように身を焼くような暑さで、汗を額に流しながらも作業に取り組んでいたのですが 
突然、ポツと冷たい感触が 
いきなりの通り雨でした 
私は「今日はもう切り上げよう」と現場を後にし、自分のマンションに帰りました 

部屋について、シャワーを浴び、一息ついた瞬間 
ふと、「実家に帰らなくては」と思い立ったのです 
すぐに3日分ほどの着替えと荷物をまとめ、実家のある県まで電車で向かいました 

電車に乗ると、雨はもうやんだようで、「まだ仕事できたかなぁ」などと考えておりました 
そうしていつのまにか眠ってしまい、目を覚ました時にはもう実家のある県に入っていました 
私は無事乗り換えを済まし、地元の駅に着きました 

駅から実家は歩いても本当にすぐの距離でして、疲れていた私は早く帰って寝てしまいたいと思っていました 

しかし、昔から馴染みの喫茶店が目に入った瞬間、「あ、顔だしとかないと」と思い、その店へ 
マスターにあいさつをして、コーヒーを飲みながら雑誌などを読んでおりました 

そうこうしているうちに、遠くからサイレンの音、消防車が走っていくのが聞こえてきました 
「あぁ、また放火かぁ」と思い、マスターにお代を払って外に出ました 

実家のほうに歩いて行くと、どうも消防車などは同じ方向に走っていくようです 
野次馬根性が出て、歩を早めます 

実家でした 

人だかり人だかり人だかり 
その視線の先には、炎を吐きだす私の生家でした 

私はそこからの記憶があいまいなのですが 
どうやら実家から一番遠くに住んでいた私が一番最初に着いたようで、知り合いたちからは不審がられたこと 
出火した時刻は私が地元の駅の近くでコーヒーを飲んでいたくらいの時刻だったのではということ 
出火の原因は不明ということ 
公共施設に宿泊できるのは、その日の晩だけだということなどが伝えられたことはおぼえています 

連絡を入れ、翌日から少しの間の休暇をもらいました 
両親の寝泊まりは父の友人が快く泊めてくださるということでした 

昼間の出火だったということもあり、私たち家族は全員仕事で外出中で無傷 
幸い、火も私の実家が全焼以外は近隣の家に燃え広がるということもなかったようです 

少しして保険がおり、それぞれ職に就いていたため、必死に働き、私たち家族はゆっくりと平穏を取り戻していったのです 

それから数か月して、友人と何気ない話をしていると、その友人(Aとします)が「昔からよく正夢を見る」というのです 
Aは、夢を日記に付けており、その実物を見せてもらいました 
「へぇ、面白いな」私が言うと 
Aは「その後に起こったことと関係してそうな夢はかなりの数がある」と 
過去の話をしてくれます 

その時「あ、そういえば」と私は自分の実家の火事の時のことを思い出しました 
あの時、なぜ「実家に帰らなければ」と思ったのか 
なぜ、次の日も仕事はあったのに「3日分」の着替えを持ったのか 
そもそも、喫茶店に寄ることがなければ私は実家に直行して、出火に気づかないまま眠りこけていたのかもしれないのです… 
死ななくてよかった 
「むしの知らせというやつなのか」とAに話すと、Aの顔が強張っていました 
(そういえばこいつにはまだ言ってなかったな)と、自分の不幸自慢をしたような気持ちになり、恥ずかしくなりました 

しかし、Aは私が予想していたのとは全然ちがった反応を示しました 
いきなり先ほどの、夢を記した日記帳を必死に見直しています 
「どうした?」と聞くと 
「…何日だ」と聞き返してくるのです 
何がだろうか、と思っていると 
「火事だよ。×月××日じゃないか?」 
と言って日記帳を見せてくるのです 

そこには、「燃えさかる二階建ての家の二階の窓から男の姿が見える」など書いておりました 
まさかと思い、父に電話をして火事があった日がいつだったのか確認しました 

その日だったのです 

特にオチのない話ですが、このような体験をいたしました 
何が怖いかと言うと、この火事、洒落怖のまとめサイトを読みあさり始めたおよそ1週間後に起こっているのです 
自己責任系の話ばかり読みあさっていたその頃のお話 
それからは自己責任のお話には一切手を付けておりません 

余談ですが、Aとこの話をした帰り 
A「今日は満月だしこんな話した後だし気味悪いね」 
私「昔からいやな予感だけは当たるんだけど、今ものすごく嫌な予感するよ」と、苦笑い 

およそ10分後、私たち二人の目の前でバイクが一台の車に巻き込まれ、それを私たちはもろに見てしまうのでした… 

おわりどすー 
文章にしてみるとあまり怖くないですね 
まぁこの一件以来、自己責任系の怖い話も、悪い予感もスルーし続けています 

さわらぬ神に祟りなし 


引用元:https://anchorage.5ch.net/test/read.cgi/occult/1279120958/