ストリートファイター

11/09/05
俺が中学生の頃の実家での話。

実家は今でこそ鉄筋コンクリだけど、当時は木造建築の古い家だった。

その日は夏休みだったか日曜日だったかは忘れたんだけど、昼間の家に俺ひとりきりだった。

で、居間でスト2ターボをやってると玄関の方から

「こんにちわ~」

っておばちゃんの声がした。

当時は田舎だった事もあって玄関に鍵なんてかけなかった。だから近所のおばちゃん達が勝手に入って来て、それから声を掛けるのなんて当たり前の事だった。

だから、この時も「あ、誰か来た」ぐらいにしか思わなかった。

スタートボタンでスト2ターボをストップさせてから

「はーい」

とか言いながら俺は玄関に向かった。けど誰もいなかった。あれ?とか思ってると今度は居間の方から

「こんにちわー」

って声がした。

ちょっと説明しづらいんだけど、居間は小さな庭に面していて、その庭もフルオープンで誰でも入り込めた。

だから短期なおばちゃんが直接、庭の方にまわったんだと思って

「はーい、今いきまーす」

とか言って居間に戻った。でもガラス越しに庭を見ても誰もいない。いい加減イラついて「ババァ何がしてぇんだ!」とか思いながらシカトする事にした。

で、テレビの前に座りコントローラーを握ったらまた

「こんにちわー」

って玄関で聞こえた。そん時、あれ?と思った。よく考えたら玄関が開く音がしてねぇ。

その玄関は木枠に磨りガラスを嵌め込んだ引き戸で、開ければガラガラと音がするはずなんだけど、よく考えたらソレが無い。

それに気づいたらスゴく怖くなってきて、背筋がぞーっとすると同時に、コントローラーがビショビショになるほど、一気に汗が吹き出した。

俺はとにかく気配を消さなきゃ!と思って、ポーズ画面にしたままじっと息を殺した。

そのまま何分間か、じっとダルシムだけを見つめていた。ダルシムの赤い入れ墨みたいなのを、じっと。

そしたら突然

「こんにちわー!」

って耳元で挨拶された。

「うぉわぉっ!」

なんて事を叫びながら、振り返っても、やはり誰もいなかった。


引用元:https://www.logsoku.com/r/2ch.net/occult/1306323205/