不気味な女

13/01/08
ある日、地元から離れたとある山の中の神社に行った。

急な石段を上がると神明造りの立派な社殿があり、俺のお気に入りの神社だった。

いつもの様に拝殿の前でお参りを済ませ後ろを振り返ると、目の前に人の顔があった。人差し指一本分の距離くらいで人の顔があったのだ。

あ、あ……っと、声にもならない声をあげつつ、俺は後ずさりした。

後ずさりして離れた位置からそいつを見ると、そいつの黒髪はスラッと長く、女物の服でスカートを履いた女だった。

女はさっきからずっと俺を見つめていた。

そして、俺に指を向けたかと思うと、口をパクパクさせながら、社殿背後の山の森の中へ裸足で去って行ってしまった。女が履いていた赤い靴が、その場に残っていた。

その日以来、俺はあの神社には一度も行っていない。

今から三年前の体験。


引用元:http://toro.2ch.sc/test/read.cgi/occult/1471753205/