
670:08/08/31
小さいころ、うちの婆さんの家のタンスに入ると変な町に行けた。
吊ってある服の奥にどんどん進んでくと、(奥に進めたことがまずおかしいわけだが)デパートの洋服売り場みたいな場所に出た。
また商品の服の中に入ると婆さんのタンスに帰れた。
そこは普通っぽいデパートなんだけど、商品に値札がひとつもついてない。
勝手に持っていってもいいことになってて、俺はいつも食品売り場で菓子を食ってた。やたら綺麗な色の、見たこともない菓子ばかりで、どれもすごく美味い。
お土産として持ち帰ろうとしても、いつもいつのまにかポケットから消えてしまう。
そのデパートの外観は109っぽい感じだったと思う。(初めて109を見たときに「あのデパートに似てる」って感じた)
隣には映画館があって、ここでも無料で映画を見られる。
いつもアニメ映画をやってた。昔話調の話が多かった。聞いたこともない面白い昔話ばっかりだったのに、内容はひとつも覚えてない。
その町にはいろんな店があったんだけど、店員らしい人がひとりもいなかった。
いるのは通行人か買い物客だけ。みんな、なんとなくフワフワした雰囲気。大人のひとほど上の空な感じだった。その町で仲良くなった子供もいた。
その町の地名は「なんとか県◎◎」
県名は忘れた。日本語っぽい音だったが、現実に存在する47都道府県のどれとも違う。◎◎は確か「マ」から始まる4文字の言葉。マしか覚えてない。
婆さんの家が改築されてから、もうあそこには行けなくなった。
同じところに行ったことあるやつ、いないか?あそこで仲良くなった子たち、みんな違う県から来たって言ってたんだ。
入り口もタンスだけじゃなくて、いろいろあったらしいが。
672:08/08/31(日)17:18:51ID:OCEUiRYeO
>>670
ナルニアとか言う物語がそんな感じだったよね。
675:08/08/31(日)19:25:21ID:GEQcRU6H0
>>670
それ子ども向け小説にしたら面白そうな感じ。
佐藤さとるっぽい世界観でぜひ。
689:08/09/01(月)00:45:50ID:zoRg2Wn60
>>670
稲川淳二の本の中でトラに噛まれた女優が同じような体験してる
687:08/09/01(月)00:26:41ID:dVaxCTn70
>>670
うわーなんか似たような体験を思い出して鳥肌立った。
私の場合は、家の納戸に入るとよそのまったく知らないウチに行けた。かならず納戸から出た先はその家の台所。
いつも外は晴れてて、真夏の2~4時くらいの気だるい日差しだった。
台所と茶の間の間はレースののれんがかかってて、それをこう、サラッと手に滑らせるのが大好きだった。
茶の間には必ずお兄さんとお姉さんがいて、ちゃぶ台を囲んでお茶してた。
私を見るとお菓子を出してくれて、お菓子はいつも見たことのない黄色い甘い板状のお菓子だった。
お菓子を食べて終わると、外から子供が走ってくるような足音がドタドタっと聞こえて、
あー、次の子が来たんだーとなぜか納得して帰るんだけど、お兄さんが送ってくれると近所の公園の林みたいになった所、お姉さんが送ってくれるとこれまた近所の金持ちの家の外庭に出る。
どっちの時も気がつくといたって感じで、ハッとしてそのまま帰ったり公園でそのまま遊んで帰ったりしてた。
たいがい家に帰ると親に「あれ?いつ出かけたの??」って聞かれた。
昼間の、天気の良い、たとえば土曜日学校から帰って暇してる時とかにしか行けなかったような気がする。もしくは行こうとしなかったか。
今思い出すとかなり不思議だ…
703:08/09/01(月)12:23:29ID:g+ptASuI0
>>687
帰る時靴は履いてたの?
707:08/09/01(月)14:54:01ID:PxX0OdyRO
>>703
はいてた!
そのまま公園行ったもん!
あの頃はまったく不思議とは思わんかったなぁ…
709:08/09/01(月)15:26:58ID:rRPwuO5P0
子供の頃だけ行かれた場所とか、そういう話に凄く興味がある。
>>670も>>687も羨ましいなあ…
引用元:https://hobby11.5ch.net/test/read.cgi/occult/1216822187/
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お客様の中にへそ吉さんはいらっしゃいませんか?
意外と多いのか?タンスに入る人
ウェルズと言えばSFの元祖とされていますが、これは文学的香りのする作品です。若手閣僚として政治の第一線で活躍する男性は、幼い頃に塀に付いた扉を開けて天国のような別世界に遊んだ事がありました。しかしその経験は1度だけでした。成長して学校に行き、政界に入りして現実世界のしがらみに揉まれている最中にも彼は塀に付いた扉を何度か見て、ぜひもう一度あの別世界に行きたいと渇望しますが、大切な試験に間に合わなくなる、重要な会議に出られなくなるなどといった世俗の雑事に追われて果たせませんでした。ある日ついに扉を見つけた彼は――。
ウェルズの天才的才能は否定しませんが、この短編小説はもしかすると彼の完全な創作ではなく、あるいは幼い頃に実際に体験した事も一部込められているのかも知れませんね。
ただ、ウェルズの場合は小説だから素直に読めるのですが、>>670や>>687は、投稿した人には失礼な言い方ですが、実体験にしては具体的過ぎて、どうも真実味を欠くように思います。まあ、これは私の個人的な感想ですので、お気になさらぬよう……。
稲川淳二の本の中でトラに噛まれた女優が同じような体験してる
ライオン・ヒョウじゃなくて??
こういう体験してみたかった
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