17/09/06
死んだじいちゃんが満州に徴兵されてた時に、あまりにも労働がきつく、食事も貧しかったために同じ班の仲間10人程と脱走した。
しかし逃げるにしても周りは寒冷植物が生い茂る原生林の原野だったので途方にくれてしまったらしい。
地図で見ると山を越えると鉄道があるらしく距離にして30キロ程歩く必要があったのだが、食事もほとんど支給されてないような状態だったので、体力がなく15キロ程山の中を歩いたあたりで動けなくなってしまった。
仲間と簡単な小屋を作り寒さをしのいでいたが、このままでは遅かれ早かれ餓死か凍死。
しかし動く気力もなく仲間同士くっついて寒さに耐えていたら、小屋の入り口を塞いでいた針葉樹の葉をどかす者がいた。
じいちゃん達は部隊に見つかったと思い、最悪死刑を覚悟したが、葉をどかして中を覗き込んできたのは馬のように顔の長い長身の男だった。
その男はじいちゃん達を見ると驚いて走り去って行ったが、ほどなくして戻ってくると何人か仲間を連れてきた。
毛皮を何重にも身に纏ったその馬のような顔の男達は、じいちゃん達をかかえると、走るように木々の間を進んで洞穴の中に連れて行った。
ほとんど死にかけていたじいちゃん達はされるがまま運ばれて、このまま殺されるのかと思ったが、もはや逃げる体力も気力もなかった。
男達はじいちゃん達を洞穴の奥に運んで毛皮の上に寝かせるとすぐ近くで火を焚いて体をさすってくれ、ネギのような草を煮た汁や、酸っぱい南天のような木の実を持ってきてくれた。
飢えていたじいちゃん達は夢中でそれらを食べて寝てしまった。
起きるとまたその食事を持ってきてくれて、3日程してだいぶ体力も戻り、男達に話しかけて御礼を言ったが言葉は全く通じなかった。
部隊に見つかるとこの男達に迷惑がかかると思ったじいちゃん達は話し合って鉄道に向かって進む事にした。
身振り手振りで御礼の意を伝え、感謝の品に自分達の持っていたナイフやマッチを渡して、自分達は行くという意思を伝えたら毛皮と木の実をくれた。
それを着て森の中を進み、なんとか鉄道までたどり着き、町に出てじいちゃ
ん達は無事に生き延びる事ができた。
あの馬のような顔の男達は何だったのか。原住民なのか、原始人の生き残りなのか、謎のままだったという。
965:17/09/06(水)09:48:02.89ID:CJS4S1ZP0
いい話だね。
諸星大二郎の山都の話を思い出した。
970:17/09/07(木)12:09:10.49ID:zi62vA5A0
これは本当にスレタイだね
不思議だなぁ
962:17/09/06(水)01:28:46.83ID:KXabwXvJ0
面白い
992:17/09/07(木)23:47:12.39ID:GOhpaGWS0
レスくれた人ありがとう。
じいちゃんが言うには片言ながら現地の言葉で話しかけても伝わらず、全く意思疎通できなかったがとにかく優しい奴らだったとの事。
命の恩人だから恩返ししに行きたいが、行くとあの地獄を思い出す、あんな地獄には戻りたくないと言っていた。
満州での栄養失調とストレスで20代にして歯が全部抜けてしまったんだと。
おまけ動画
引用元:http://mao.5ch.net/occult/
コメント
コメント一覧
もっと知りたいなぁ
多くの人が山に逃げ隠れたらしいが
中国では度々そのような文化破壊が起きたから
何百年、何千年前に山奥に逃げて
そこでひっそり生き延びた人々の
秘密の集落があっても決しておかしくない
なんとかっつーオカルト系の書籍で、ぜんっぜん知らんおっさんが三人対談で
その話しとったのを立ち読みしたわ。何でもたけしの番組で映像が流れた途端
「たけしさんの顔が変わった。たけしさんは(病気だと)分かったんだね」とか言っててw
おっさんが、さっすがたけしさん!! すげーよね!! しびれるぅー!!
みたいな流れで気味悪くってww
まさにオカルトだはw
テレビで放送された時も、みんなそっちに目が行ってた。
時期による。敗戦間近の時期だったら、関東軍の幹部が日本が負けるという情報を得ていてコッソリ家族を日本に帰していたので民間人でも軍と関係のある職業、あるいは軍関係者の動向を見て事情を察した者が運良くそういう軍人の家族が乗っている列車と船に便乗して生き延びた。その頃はもう脱走兵をどうこうしようとかいう問題ではなくなっていた。
あちらだと…………残留孤児も居ない程、徹底的に虐冊されたらしいですね。
その数、二十万から三十万で、生存者がどうなったか……………は、
和夫一家冊人事件が有名です。
しかも満州ならソ連の侵攻が始まるまでは最前線でもない
満州は俺の母方の爺さんも技術者で行ってたけど、かなりいい暮らししてたらしいから全然想像つかない。
そうな厳しいところがあったのか?
具体的な場所とかが知りたい。
オレもそう聞いてたからまず冒頭から?て思って全く入りこめんかったわ
もちろんそういう場所もあったのかもだが、下手な創作なんじゃ?って疑惑が湧くとどうもなあ
いや、創作だとしてそれを理由に否定はしないけど、ディティールはちゃんとして欲しいなって
それじゃあオマエラがもっと面白い、もっと理詰めの創作作れよwww
肥沃な土壌、温暖、支配しやすそうな民衆。これが揃って初めて侵略、もしくは傀儡国家を作るに値する労力をさけるわけです。
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