家

18/05/20
かなりほんのり。高校時代の英語教師に聞いた話。

わかりやすい授業と淡々としたユーモアが売りで、生徒と余り馴れ合う事はないけれど、中々人気のある先生でした。

昔奥さんが死んだ時、(話の枕がこれだったので、そんな事実初耳だった我々は、その時点で相当びびり気味だったのですが)彼はよく不思議な幻を見たそうです。

それは、もう使う人のない奥さん用のタンスの引き出しが開き、そこから奥さんが頭半分を出して、ベッドに寝ている先生を見ているというものでした。

彼は

「ああ、家族の死で私は精神的に不安定になっているのだな」

と病院へ行き、精神科などに相談し薬などを出してもらい、なるべく疲れないよう、ストレスをためない様にしてみましたが、奥さんは相変わらず夜になるとタンスの引き出しに姿を現し、微妙なポージングで彼を見ていたそうです。

精神的なものでないのなら、現実に起こっている事だと判断した先生。

ある時そのタンスの引き出しに体を入れ、全身でがたがた揺すりながら、長い時間をかけて引き出しを閉めてしまったそうです。

そこで長い事待っていると、「あら」とかなんとか、奥さんの声がしたそうです。

思えばリアクションを用意していたわけではない先生。(「冷静なつもりがやはり動揺していたんですね」とか言ってました)

困っていると、奥さんが

「あなたは太っているから、ここじゃ無理よ」

等と言い、先生もそうだなあと思い、またがたがたやって出たそうです。

ちなみにそのタンスはまだ先生のうちにあり、疲れた時などに、奥さんが登場しているのが寝入りばな見えるとの事でした。

『いい話』ではなく『ほんのり』にしたのは、この話の締めとして、

「私は大丈夫だったけれど、気弱な人だったら、引き出しに入ったまま死んでもいい、と思ってしまうかもしれない居心地の良さでした」

と淡々と語っていました……。

さらに、まだタンスをお持ちという事が自分的にほんのり。


引用元:http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/livejupiter/1526795884/