狂気
15/05/10
これはウチの祖母の体験で、かれこれ20年近く前の話。

近所の婆さん・Hさんが病気で(ってもほとんど老衰だけど)入院し、うちの祖母は「来てくれ」と婆ちゃんがせがんでいるからHさんの家族に言われて、見舞いに行った。

しかし、祖母が病院に着いた頃には急変しており、婆さんはスパゲティ状態。いつ逝ってもおかしくなく、意識レベルも3桁(意識不明)に突入していたと思われる。

そんな状態だからか、見舞いに行った祖母は追い返されず、最期の別れをしていってくれと言われた。

それでは……、と祖母が病室に入ると、とたん、今まで閉じられてたHさんの目がくわッと開き、祖母に視線を向け、管だらけの手で一回手招きして息絶えたそうだ。

祖母はゾッとして、あいさつもソコソコに逃げるように帰って来て、

「恐い目にあった」

と私ら家族にその体験を語ってくれた。
その話を聞いて

「おばあちゃんはHさんのお気に入りだったからね」

などと家族で祖母をからかったりした(なんかヒドイ家族だorz)

その夜、祖母の夢の中にHさんが出てきて、無言で祖母を手招きした。あらがい難い力に祖母はHさんのそばへと引き寄せられていった。

「……それでどうしたの?」

朝、そんな夢の話をする祖母に私がたずねると、

「ぶん殴って逃げてきた」

と祖母は答えた。

もし、祖母に少しでも抵抗する気迫が欠けていたら……祖母はHさんと一緒に逝ってしまっていたのかも知れない。


引用元:http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1430400003/