01/04/30
私の知人から聞いた話です。
知人の叔母さんはいわゆる霊感の強い人で、他人の霊的な相談に乗ったりしており、遠方から手紙で相談を持ちかけられるような人でした。
そんな叔母さんのもとに昔届いた手紙の内容として知人が語ってくれた話です。
手紙の主は女学生です。
ある日彼女が学校から帰り、自宅のあたりまで来た時のことです。誰かが彼女の自宅に入っていくのが見えました。
弟か外出していた母が帰ってきたのだな、と彼女は思ったのですが、家に着くと玄関の鍵は閉まっていました。
しばらくして帰ってきた弟に、さっき一度帰ってきたかと尋ねましたが、知らないという答えでした。彼女は不思議に思ったものの、見間違いだったのだろうと思うことにしました。
しかし、それから彼女は家の中でたびたび妙なものを見ることになったのです。
夕飯時のことです。
彼女が居間にいて、ふと台所を見ると、炊事をしている母親の後姿が見えたのですが、何と母親が二人いるのです。
彼女が驚いていると、そのうちの片方がくるりとこちらを振り返りました。それは母親ではなく、顔に目鼻がなく、口だけのものが笑っているのでした。
また別の日、彼女が風呂に入り洗髪をした時のことです。
風呂場には彼女一人だけのはずなのに、湯船のなかでぽちゃんと水のはねる音がしました。
顔を上げて湯船をのぞき込むと、水面にあの顔が映っていたそうです。
またある日のこと。
彼女の母親は自宅で洋裁教室を開いており、足踏み式のミシンが置いてある部屋がありました。
夜遅くその部屋からミシンを踏む音が聞こえてきたので、まだ生徒さんが残ってるのかな、ずいぶん遅いな、と思って彼女は部屋を覗き込みました。
すると一台のミシンに女性が向かっているのが見えました。
ただその様子は普通ではなく、首と腕をだらりと下に垂らしたまま、足だけめちゃくちゃな勢いでミシンを踏んでいるのです。
しばらく様子をみているとその女性がくるりと振り向きました。またあいつでした。
今度はそれはすっくと立ち上がったかと思うと、Aさんに向かって走り出してきたのです。彼女は急いで自分の部屋に逃げ込んだそうです。
私が聞いた手紙の内容はここまでです。
それを見てしまうのは家族の中でも彼女だけだそうで、助けてほしい、という内容だったということです。
606:01/04/30(月)13:12
その女学生さんはどうなったんだろう。
知ってたら教えてください。
607:01/04/30(月)13:39
>>606
知人自身その後日談を知っているかどうかもわかりません。
まあ聞いてもらえばいいことかもしれませんが、しばらく連絡していない知人に突然「あの相談主、どうなった?」と聞くのもちょっと憚られます。
ということで何卒ご勘弁を。
引用元:http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Cupertino/6961/Log/Kowai1/skowai4.html
コメント
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尻切れトンボ的なモヤモヤ感が...
そもそも最初から誰もいなかった。怠けてんじゃねーよって俺自身が伝てきえたのかな
それが書かれていないので、もしかすると投稿者殿は、手紙の内容を創作しただけで飽きてしまい、続きを書かずに投稿したのか、などと勘繰りたくなりました。
叔母さんの所に来た手紙の内容は個人の秘密に属する事だから教えてもらえなかったため、投稿者殿は内緒でこっそり盗み見をしたのだ、だから結果がどうなったのかまでは分からないのだ、と考えれば平仄は合いますが、それは怪談の語り口としては反則だろうと私は思います。
蛇足ですが、この投稿の初出は2001年ですね。私がまだインターネットのイの字も知らなかった頃です。そんな時に既にこうした投稿が往来していたとは、自分がいかに世の中の潮流に乗り遅れていたかを実感しました。
二撃目は人中への縦拳。
容赦はしない。
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