クギ、ホラー
11/06/22
もう自分だけでは耐えられなくなったので吐き出させてくれ。

4月まで俺はN市に住んでいた。まぁ引っ越した理由がズバリ今からする話なわけだ。

その日夜更かししてた俺は何となくネットとかも飽きて24時間やってる本屋に行こうと自転車を走らせた。

住んでたら分かるがN市は市内に川がいっぱいあって妙に道がややこしい。ちょっと知らない脇道に逸れると方向がずれまくって全然違う方向に突き進んでる。

ここに住んで2年半過ぎるが生まれて初めて自分は方向音痴だったのか?と本気で思った。

それはさておき、今夜も深夜に信号待ちなんかしたくないと思ってよけいな道に曲がったら迷う迷うwww

まぁ本屋に行く自体が暇つぶしみたいなものなのでまぁいいかと深夜の探検迷子を楽しんでた。

そしたら…
音が聞こえた。

そして郊外の住宅地(というほど家は密集してない)の中に神社があって音はそこから聞こえていた。

正直ベタだと思った…音もいわゆるアレの音である。おかげで全然怖くなかった。ただそのときの俺は暇すぎたせいで「予想通りのことが行われているのか?」を確かめてみようと思った。

まぁもしそうだったとしてもベタな話にありがちな「音出して気づかれて追っかけられる」の黄金パターン、だけは自分はやらかさねーってヘンな自信もあったし、今思えば吸い寄せられてたんじゃないかって思う。

だって本来俺は怖がりなはずだからそんな度胸はないだろう。あのときの俺はどうかしてた。

石段を登り(確か18段)境内に入る。本道っぽいかなりボロボロのお堂があって音はその裏から聞こえてた。

右から回るか左から回るかどーでもいいことで悩んでその間に怖くなってきて早く帰ろうと思い右から回り込んで陰から裏にあった林を覗くと広い空間があった。

そして…

俺の予想を現実は2つほどくつがえした。1つは…人?がいっぱいいた。8~10人くらいだろうか、中央に白い女(ベタな装束)が一人いてあとはみんな男。…というか小指がなさそうな人ばっか。

そして俺の常識をくつがえしたもうひとつの現実は…ベタなアレの音の出所だった。

まぁ気づいていない人はいないと思うがアレな音とは「五寸クギで木に人形打ち付けるコーンコーン」なやつである。五寸クギが刺さっていたのは木ではなかった。…人だ。

もう何十本打ち付けられてるのはわからない。顔だけに打ち付けられてクギだらけになっていた、性別もわからなかった。間違いなくもう死んでた…

俺は最小時間で目に映った光景を網膜に焼き付けると、マジで命がけで音を出さずにその場から逃げ出した。振り返ってないから気づかれなかったかは分からないが逃走は成功した。

音はだいぶ離れても聞こえてくる。本屋に行く目的なんて忘れて来た道を即引き返した。もう一秒でも早く知ってる場所に行きたかった。

だってそうだろう?よく考えてみたらあれだけの音がしててなぜ近所の家は不思議に思わない?もうこの場所自体が危険なんじゃないかと思った。やつらの家なんじゃないかとすら思った。

アパートに戻ってトイレに直行、3回くらい吐いた。その日から明かりつけないと寝れなくなった、昼夜が逆転した。

夜と暗闇はあの光景がよみがえってしまうから。節電ごめんなさい。

数日たって俺の中に一つの疑問がわいてきた。あれは「事件」なのか「霊」なのか?…だ。

前者の理由はあの連中…特に小指なさそうな人たちが霊には見えなかったこと。

後者の理由は逆に中央の女(とクギ打ってた死体)は霊的なオーラみたいなのを感じた気がするから(ちなみに俺は霊感ゼロ)

ただ数日たったがN市の近くであんな死体が見つかった猟奇事件みたいな記事はでていなかった。

もっともやつらがプロなら死体なんて残さないだろうが事件が公にならなければ警察に目撃したと相談しても全く意味がない。

そもそも自分があれは現実だとはっきりわからないのだから目撃したことさえばれていなければ俺が狙われることはないはず。

でも万が一の場合は…
そう思い引っ越した。

(だから引っ越した場所はイニシャルでも言えない)

仕事をやめ、逃げるようになんとか引っ越してもうすぐ2ヶ月。なんとかやってます。問題は、仕事をやめN市を離れ引っ越したことをまだ一部の知人にしか言ってない。

特に親には完全にタイミング外して言えないまま…どうしよう?とりあえずバイト探さないとな…