11/11/16
小4の夏休みの話。
おれには3つ上の姉がいて、当時中1だった姉は朝から演劇部の練習に行っていた。おれはと言えば何も予定がなくただダラダラと過ごしてた。
両親は共働きで、母が作ってくれた簡単な昼食をテレビを見ながら食べて、それも片付けずリビングのソファで昼寝をはじめた。
いくらか時間がたち、人の気配で目を覚ましたおれ。目を開けるとテーブルを挟んだところに女の人が立ってるのが見えた。
ゲームのやり過ぎで近眼(寝てたからメガネは外してた)+眠気眼でハッキリとは見えなかったが、確かに女の人だった。
「姉ちゃん、帰ったの?」
と言うと、その人はこっちを向いて、近付いて来て頭をなでてくれた。お姉ちゃん子だったおれは安心してまた眠りについた。
結局ちゃんと起きたのは3時過ぎで、かなり本気で寝ていたおれ。使った食器を片付けようとしたら、お茶碗を残し全部流しのところに置かれていた。姉ちゃんが片付けたのかなと思い、家の中を探すがいない。
外に行ったのかなと思いクツを見に行ったら、クツはなく、しかもカギが空いていた。
口うるさい親に育てられた俺と姉。カギを締めるのはもはや習慣化されてたからめずらしいなと思って締めた。
結局姉が帰ったのは5時前くらい。閉め忘れてたよと言ったが、私は帰ってないの一点張り。
たしかに、帰ってきた姉の姿は体操着に中学の肩掛けカバンという格好。一度帰ってまた遊びに行ったとは考えられなかった。
なによりもっと重大なことに気付いた。例の女の人、白い服に肩くらいある髪をしていたから女の人だ!と判断したが、姉は暑いからと数日前にショートくらいに髪を切ってたんだ。
こうやって書くとあまり怖くないが当時はものすごい怖かった。
お茶碗以外が動いてたから人間だったのかも知れないが、人の家に入って中途半端に食器片付けて出て行く(荒らされた形跡は皆無だった)とか、それなら幽霊のしわざにしといた方が救われる。
コメント
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峰不二子「……何も盗るモノが無い家ね…」
で、お前のじつのかーちゃん
ありそうで困る
松本のぞっとする話であったな
これ思い出しながら読んでた
これをリアルに想像してみた。
そしたら、随分と、切ないやんけ
(>_<。)
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