スキューバダイビング
11/11/16
沖縄の本島に1週間ほど友達と二人で遊びに行ったときの話。

その日は北のほうでボートを借りて釣りをしてたんだが、午前中一杯でそれに飽きて道具も持ってきてたんで、ダイビングをしようってことになった。

それで浜から300mほど沖にある40畳くらいの小島というか、小岩のところでボートをとめて潜った。

サンゴより海藻の多い場所で、魚は少なかった。

島のまわりを巡るのはあっという間だったが、沖に面した島の根っこの水深4mくらいのところが大きく内側にえぐれているのを見つけた。

洞窟とは違っていつでも出てこれるような場所だったんで、友達といっしょに入ってみたが、中は意外に広かった。幅の広い階段状の岩が四段ほどあって、明らかに人工物だった。

奥行き3mくらいのそのくぼみの中も魚は少なくて、中がなんとか見えるくらいの明るさだった。

そして最奥が垂直の壁になっていて、その前に高さ1mくらいの石製のつぼが4つあった。

俺は遺跡だと思って友達に合図して近寄ってみると、つぼは4つとも同じような作りで、どれも40cm四方くらいの石製の四角いフタがのせてある。

それで近寄って二人で一番左端のつぼのフタを持ってずらしてみたら、いきなりつぼの中から深い紺色の煙状のにごりがすごい勢いでぶわーっと出てきた。

オレらはやばい物かもしれないと思って、そのくぼみから出て離れてどうなるか見ていたら、その紺色のにごりは水中で縦長にまとまって、どんどん人の形のようになっていく。

20秒くらいで高さ1・5mくらいの直立した人の形になった。オレは女だと思った。といっても形だけで、表面は紺色のにごりのままなんだが。

それが両手を前に伸ばす形でくぼみから出てこようとしている。それを見るとオレはすごい胸苦しい気持ちに襲われて、水を蹴って離れようとした。

そこで下を振り返ってみると、友達がそのにごりに魅入られたようになって動かず、あと30cmくらいのところまで近づかれている。

それでもう一度潜って友達のワキの下に手を入れて一緒に浮上した。島には上がりにくい場所だったんで泳いでボートまで戻った。

ボートで友達にあれは何だったんだろうなと言ってみたがなんだか、上の空で返事もしない。

表情が暗く言葉少なに考え込んでいる様子で、次の日もそうだったんでオレはあきれて友達を残して一人で大阪に帰った。

その2日後に友達が死んだという連絡が友達の両親から入った。

その小島のある浜に死体が打ち上げられたそうで、外傷はなく溺死なんだが下半身が紺色に染まっていたそうだ。