地球、時間

32:
ゆう:02/07/20 03:38
私の母方のおばさん(母の姉)と祖母が、都内の有名ホテルに2週間前から予約を入れて当日、チェックインしようとしたら受付で

「予約が入っていない」

と言われびっくりしたが、今更ホテルを探せる時間でもなく、祖母は体調が悪く早く横になりたいようだったので、おばが

「どんな部屋でも良いのでお願いします。」

と頼んでみたが受付の山岡さん(仮名)は

「申し訳ありません本日は空いてるお部屋はございません。」

するとおばは頭に来て

「予約して確認まで取ったのにそっちの都合まで知りません。何とかしてくれないと困ります。祖母は具合が悪いんです。」

怒って食い下がった所、やっとゴソゴソ調べて

「では、1245号室にキャンセルが出ていますので、そちらにご案内させていただきます。よろしいでしょうか?」

と言われ部屋のカギを渡されました。

おばは祖母が心配で1日ぐらいどんな部屋でも構わないと思い、早速祖母を連れてエレベーターで上がって1245室に入りました。

感じの悪い受付だなぁ、と思いながらも時間も遅かったので我慢したそうです。

祖母は横になっても具合が良くならず、苦しそうだったのでおばは、受付に電話して医者を呼んでもらいました。

診察してもらうと葉山医師(仮名)は「ウイルス性の風邪でしょう」と言って市販のもので良い薬を何個か進めてくれたので、おばは、都内なのでまだ開いてる薬局にタクシーで往復しました。

降りる際にたまたま運転手が小銭が無く、おばは急いでホテルの受付で両替し、急いでいたせいでせっかく買ったお薬を受付のカウンターに置きっぱなしにして、タクシーにお金を払いに行ってしまいました。

戻ってみると受付には薬の入った袋が見当たらず、山岡さんに聞くと

「いいえ、何もお忘れになっておりません」

と言われ、おばはカッとなって

「両替した時に置いて行ったじゃない」

と言っても困った顔をされ

「どちらにお泊りですか?」

逆に聞かれ

「何言ってるんですか?さっき、1245室のカギをくれたじゃないですか!」

と言い返すと山岡さんは「は?」という顔をし

「あのぉ~、どちらか別のホテルとお間違えではありませんか?ただいま1245室は空室になっておりますが、、。」

と言われました。おばは何がなんだかわからなくなり「そんなことは無い」と説明すればするほど興奮して、山岡さんはキチ〇イを見る様におばを見ています。

ちょうどその時、エレベーターから葉山医師が出てきて、おばは泣きながら

「先生、さっき祖母を診断してお薬を進めてくださいましたよね?!」

必死にすがると、医師までも困った顔をして

「申し訳ありませんが、よくわからないんですが、きっと誰かと勘違いなさってますよ。すみません。」

とそそくさ行ってしまった。おばは混乱しながらエレベーターに向かうと山岡さんが追いかけてきて

「お客様、どちらにおいでですか」

とおばを止めようとしたので

「部屋に行って祖母の様子を見るんです!」

と怒鳴ると

「では私もご一緒いたします。」

と山岡さんと一緒に1245室に行って、おばはカギが無い事に気がつき、山岡さんがマスターキーで部屋を空けた。

そこは荷物も何も無く、もちろん寝てるはずの祖母もいなかった。

おばは半狂乱になり、病院へ運ばれ、母は次の日にかけつけ話の一部始終を聞き終え、信じられませんでしたが、祖母は忽然と消えてしまった事実だけが残りました。

おばはまだ入院しています。祖母にはそれ以来会っていません。未だ(11年間)に行方不明で捜索しています。

生きているかさえ不明です。警察はおばの言うことを信じてくれませんでした。この話は自分でも未だに信じられないんですが、親戚一同信じている事実です。

でも未だに訳がわからず、悲しいやら腹が立つやら。何度も嘘だと思ったし、おばにも会いましたが結局同じ話の繰り返し、、。

新聞にも載らず、事件にもならず、ホテル側も知らん顔で祖母は帰ってきません。

母はこの話を最近になってやっと教えてくれました。できれば知りたくなかった。友達も同情してくれても信じてくれません。

考えれば考えるほど私まで頭がおかしくなりそうです。

長くてすみません。





転載元:不可解な体験、謎な話~enigma~Part5