山、虫取り、おじさん

340名前:
あなたのうしろに名無しさんが・・・投稿日:04/01/28 14:54
小さい時の話です。

ある日、兄がカブト虫の幼虫を沢山取ってきました。僕も、欲しくなり何処で取って来たのか、聞きましたが教えてくれません。

僕は裏山だと思い、次の日友達と2人で裏山に行きました。幼かった僕たちは、カブト虫の幼虫がどんな所にいるか、判りませんので、手当りしだいに掘って行ったのですが、もちろん取れません。

僕たちはどんどん山の奥に、入って行きました。すると、ちょっと土の色が違う所を、発見しました。

「きっとここだよ。」

僕たちは嬉しくなり、掘り出しました。すると、急に後ろから

「君たち何やってるの?」

と声がしました。


341名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・投稿日:04/01/28 14:59
振り返ると、見知らぬオジサンが立っていました。僕たちは

「カブト虫の幼虫を見つけてるんだ」

と言うと、オジサンは

「そんな所にはいないよ。他を探したら」

と優しく言いました。でも僕たちは

「掘った跡もあるし、きっといるよ」

と掘り続けました。・・・・・・・・少し間が空き、不意に静かな声でオジサンが、言いました。

「それ以上掘ると、オバケになっちゃうぞ」

オバケの言葉にビビって掘るのを、止めるとオジサンは、ニコニコしてカブト虫の幼虫の取れる所に、手を繋いでつれて行ってくれました。

オジサンの手が震えていたのを、憶えています。

今思うと何が埋まっていたのか、そして、オバケがでるぞ!じゃなくオバケになるぞは、言い間違えただけなのかは、判りません。

すべては、裏山の中に、埋まっています・・・





転載元:洒落にならない話を集めてみない?