189名前:トンネル投稿日:03/03/2101:17
子供の頃、ばあちゃんの家に遊びに行った時のことです。
同じくらいの年のいとこ2人と姉とかくれんぼをはじめました。鬼になったのは一つ下のいとこでした。
ばあちゃんの家に行く度にかくれんぼばかりしていたのでバレにくい所(タンスの上のダンボールの中や玄関の下駄箱の下など)は過去にもう隠れたことがあり、隠れる場所が殆ど無かったのですが、私は隠れるのがなかなか上手く、一番最後まで見つからないことも多かったので、その日も気合を入れて隠れる場所を探し始めました。
ふと目に付いたのが仏間の押入れ。上の段に上り、何気なく上を見ると、板がほんの数ミリぐらいずれていました。
押してみたら持ち上がったので、そこに這い上がり、板を元に戻して、外から漏れる光を頼りにあたりを見回すと、屋根裏というよりトンネルみたいな、長い通路のようになっていました。
190名前:トンネル投稿日:03/03/2101:18
ばあちゃんの家は細長い平屋だったんですが、どうやら端から端までありそうなぐらいの通路です。高さは大人がハイハイしてやっとくらい。
押入れの近くにいるとバレると思った私はとりあえずその通路を移動することにしました。古い家なので隙間も多く、真っ暗でもなかったのであまり恐怖も感じず、四つん這いになってどんどん進んでもうすぐ家の端まで着くぞ、という時に突然天井と言うか、這ってた屋根裏の板が途切れてて、私はそのまま頭から落ちてしまいました。
落ちた先には、古くてカビ臭い布団が沢山置いてあったので、幸い怪我も無かったんですが、どうもおかしいんです。ばあちゃんの家にそんな部屋はない。
上を見上げると自分が落ちてきた場所が見えたんですが、結構高く、どう見ても平屋の一階と言うよりは地下。周りは土と石でした。
なんとか上ろうと思って手で回りを探ると、何かスイッチのようなものがあったので押してみると、上からぶら下がったコードに付いていた裸電球が点きました。
191名前:トンネル投稿日:03/03/2101:18
明るくなったことで回りの状態を見ることができました。壁にぽっかり空いた横穴。。。
とりあえず這い上がるのは無理そうだし、この穴を通ればどこかに出られると思い、四つん這いになってその横穴を進み始めました。
地面にはさっきあったような布団が敷いてあるようです。
ジメジメしてて気持ち悪かったけど、だんだん怖くなってきたので、どんどんどんどん進んでいき、もう電気の明かりも届きません。
なんだか微妙に登り坂になっていて、ちょっと疲れたけど、それでもどんどんどんどん進んで行くと、いきなり何かにぶち当たりました。
薄いベニヤ板みたいなものが立てかけてあったらしく、板が倒れて穴からようやく脱出。。。したのはいいんですけど、見た事もない部屋。木のオリっていうか格子がはまってて出口らしき所には大きな鍵がついていて出られません。
196名前:トンネル投稿日:03/03/2101:29
恐さがピークに達した私は大声で泣き喚きました。するとオリ?の外の更に外から女の人の声が。
「誰かいるの?」
「わかんないけどここに来ました!助けてください!」
「ちょっと待ってて!」
ガチャガチャと音がしてオリの外の扉が開きました。どこか蔵の中の小部屋のような所にいるようです。
「ここの鍵ないんだよね。ちょっと待っててね」
少ししておっさんが現れました。不思議そうな顔をしながらも鍵をガチャガチャやったり引っ張ったりして開けようとしてましたが開かず、結局斧で叩き壊して救出してくれました。
名前と、どこから来たのか聞かれ、ばあちゃんの家から穴を通って何故かここに出たことを説明すると、おっさんがばあちゃんの家までおんぶして連れて行ってくれました。
198名前:トンネル投稿日:03/03/2101:30
家で遊んでたはずがおっさんにおんぶされて、帰ってきた私にじいちゃんもばあちゃんも驚いていました。私が
「この人に助けてもらった」
と説明すると、不可解ながらもニコニコとお礼を言ってました。しかし、
「この子が、どこからか穴を通ってウチの蔵に入ったらしい」
という話をおじさんがした途端、二人は突然
「出て行け!」
と怒鳴りだし、おじさんを追い帰してしまいました。なんかすまないことをしたなぁ、と思った私はじいちゃんに
「仏壇の部屋の押入れから行ったんだよ。穴があのおじさんのウチの方まで繋がってて、勝手に蔵に入っちゃったんだからおじさんは悪くないよ。」
と説明しました。
するとじいちゃんは
「そんな所からあんな遠くまで繋がってるわけが無い!」
と怒鳴り、仏間に行くと天井を沢山の板と釘でめちゃくちゃに打ち付け、塞いでしまいました。
199名前:トンネル投稿日:03/03/2101:33
その後は恐くてあのトンネルのことは口にできませんでした。だからあれが何なのかはさっぱりわかりません。
蔵のあった家にはその数ヶ月前までは人付き合いを殆どしないおばあさんが一人で住んでいたんですが亡くなり、その後私を助けてくれた夫婦が住んだものらしく、蔵のことはよく知らなかったようです。
じいちゃんはとっくに亡くなり、ばあちゃんも数年前に亡くなり、今はあの家は人手に渡っています。最近両親に聞いてみましたが、そんなもの知らないと言ってました。
あれはなんだったんでしょう?
大量の布団。電気。トンネル。
考えるとなんか恐いのであまり考えないようにしています。
転載元:死ぬ程洒落にならない話を集めてみない?
コメント
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懐かしいな。
懐かしいよな。
懐かし…くはないなぁ。今でも気味が悪い。
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