生い茂ったヤブの中から突然得体の知れない何かの声が聞こえはじめた

14:
本当にあった怖い名無し:2008/12/24(水)16:23:17ID:cUDbB0Iz0
先々週かな
久しぶりに山に行ってきたんだ

雨上がりでちょっと霧が出てる日だったんだけど、昼から少し晴れてきたんで最小限の装備持って山に出かけた

山道を3分ほど登っていくといつもの山に入る道に着くんだけど、冬でヒッツキモッチキ(服にくっつく草)が大量に生えてて通れない
仕方ないので上のほうの岩際を通って山を登り始めた

いつもより大分左側から上り始めたけど5分もしないうちにいつものルートに合流できた
なんで道が分かるかっていうと今年の夏に3メートル間隔くらいで竹を立てておいたのです

その竹を見つけたので

「あぁ、ここに繋がってるのか」

って思いながら一服してた
ちょっと休憩して登るのを再開

このルートは中腹的な(土塁跡)場所があって、そこはちょっと開けてる
山道の途中がぽこっと高くなっててその周りにヤブが生い茂ってる感じ
で、そこから下に4メートルくらい下にいた時、変な声が聞こえた

声、だったかは分からない
音だったのかもしれない

「トゥツツツ・・・ツツ・・・」

って感じ
電話のコール音をすごく低くして不協和音を足した感じ

それが上の方から聞こえてくる


15:本当にあった怖い名無し:2008/12/24(水)16:24:29ID:cUDbB0Iz0

「・・・・鳥か?」

そう思いながらさらに登っていく
足元に竹を見つけたので中腹までは3メートルくらいになった

するとまたあの声が聞こえる

立ち止まって耳を澄ましてみると、5秒くらいの感覚で聞こえてくる
しかもだんだん近づいてきている

声の聞こえる方向、中腹を見上げるけどヤブで見えない
声は相変わらず近づいてくる
気味が悪くなって腰に下げたナタの布を取る
声は中腹辺りで動かなくなった

「・・・・・・・ぅ・・」

悪い感じはしない、けど近づきたくないような微妙な感じ
確かめたいけど確かめると悪いかもしれないし、でも確かめると良い事が起きるかも、みたいな
右手にナタ構えてしゃがんで中腹を見続ける

声は相変わらず断続的に聞こえてくる
睨みあっていると突然鳥が飛んできた
すごいピィーピィー大きな声で鳴きながら飛んできた

中腹の木に止まると相変わらずピィーピィー鳴いてる
しばらく鳴いていると中腹に降りた


16:本当にあった怖い名無し:2008/12/24(水)16:25:20ID:cUDbB0Iz0
降りた瞬間すごい声

ピィピィピィピィーピィーピィpィpィピlピpィ

表現できない、鳴き声
バサバサって羽ばたく声は聞こえるけどブッシュで見えない
怖くは、ない
悪い気も、ない
けど、ヤバい

鳥の鳴き声はまだ続いてる
2、3歩後ずさる
鳥の声がやんだ
それを合図に一気に逃げる
また聞こえてくる、トゥツツツ・・・ツツ・・・という声


17:本当にあった怖い名無し:2008/12/24(水)16:25:59ID:cUDbB0Iz0
山に上った経験がある人は知ってるだろうけど
登った道を逆走するのは難しい

道として整備されていれば問題ないけど木をかき分けて登るような登り方をすると
降りるときまったく見分けがつかなくなる

焦ってたから余計に道がわからない
声はまだ後ろから聞こえる

急斜面で木をつかみにくいけどナタは離さない
また鳥の鳴き声が聞こえてきた、胸騒ぎがする
滑るように急斜面を下りて山道に飛び出した

かなり息が切れていた、耳を澄ませる
鳥の鳴き声も変な声も聞こえなかった
俺は脱力してそこに座り込んだ

その後は何ら不思議なこともなく帰宅
あの声なんだったんだろ
できればもう出会いたくない


転載元:~山にまつわる怖い話~